柳貞子さんのファド
ひょんなことから柳貞子さんのコンサートに先日行ってきた。 なかなか、よかったでござるよ。歌う前に曲の説明をなさるのだが、この日本語がきれいなのにまず感動した。落ち着きがあり、あかぬけている。変な例えだが、NHKの「ラジオ深夜便」をきいているような、ゆったりした気持ちになれる。ずっと話を聞いていたいとさえ思った。
歌は、さすがスペイン歌曲を歌って半世紀近く。大御所である。裏街の民衆歌謡のリスボン・ファドなんぞ軽くこなしてくれる。というと言い過ぎか。発音やメリスマが、本場のファドとはどうしても違うのはやむをえない。しかし、さすがスペイン歌曲で鍛えているだけあって、十分楽しませてくれた。
しかし、やはりサウダーデが違う。柳さんも切ない郷愁を込めて歌っているのだが、ポルトガルのサウダーデとは、どこか微妙に違うのである。胸をしめつける郷愁。といったところで、ポルトガルでもスペインでも日本でも、郷愁は、胸を締めけるだろう。だが、それが微妙に違うのである。
備忘録代わりに演目を記しておく。
第1部 スペインのうた (共演 柴田杏里)
グラナダ アルベニス/スペイン歌曲より
さようなら、愛しい人 セファルディー民謡より
プンチャ、プンチャ 〃
鳥の歌 カタルーニャ民謡より
ソロンゴ ガルシア・ロルカのスペイン古謡より
ラ・タララ 〃
ラ・パロマ イラディエール/スペイン歌曲より
第2部 ファド (共演 マリオネット)
懐かしのリスボン
難船
暗いはしけ
涙
吹きゆく風のバラード
神は私に声をくれた
最後の詩