謎の婆




ダビンチ・コードならぬ、いしいひさいち氏の暗号か。今朝の朝日新聞の漫画「ののちゃん」は謎だ。
いつにも増して字も絵も細かい。一般読者の閲覧を拒んでいるかのようだ。早くもこの段階で「今日は一見さんお断り」のサインを出しているのだろうか。
細密画なので見るのが面倒臭かったがお付き合いした。「ああ不吉な春よ 夜は影を追いやってくる わたしたちに投げ与えられるのは 孤独という固いパン」
な、なんだ朝っぱらからこの忌まわしい歌詞は。しかも、向かって左手のオニギリ顔の男が弾いている楽器は何だ。マンドリン? バラライカ? はたまた平家琵琶?
観客は「演歌とまちがえたらしいおばあさんがひとりだけ」と書いてある。ということは、演歌ではないらしい。
ほとんどゼロの観客に泣き出した、歌い手の女の子。その子が突っ伏した店のシャッターに張り紙が。「LUSO」と書いてある。「留守」の誤記だろうが。
さらに、こともあろうに、理解していないと見えた老婆は、「『モウラーリア』は走りすぎじゃが『アルファーマ』は よぉ歌い込んどる」と、謎の論評を残して去っていった。
「モウラーリア」「アルファーマ」ってなんだ。呆け防止の新薬か。それとも金鳥の新しい殺虫剤か…
いやはや。冗談はさておき、ファドのことを知らない大多数の読者は、この漫画を見ても、ちんぷんかんぷんだろう。(ちんぷんかんぷん、という日本語も、最近聞かなくなった)
大新聞という公器を使って、このマイナーなジャンルの現状を全国向けてに告発した、いしいひさいちさんに乾杯!。彼女たちストリートミュージシャンのご活躍を、心からお祈りする。
ところで、ここに出てきた歌詞だ。「ああ不吉な春よ」「わたしたちに投げ与えられるのは 孤独という固いパン」というのは、アマリア・ロドリゲスの持ち歌の「PRIMAVERA」の中の一節、
Ai funesta Primavera,
Pão duro da solidão,
É somente o que nos dão,
である。しかし、「夜は影を追いやってくる」という部分の出典が分からない。どなたかご教示を。
contaca_segundoと申します。
朝日新聞2009年11月3日付の「ののちゃん」#4465でもやってくれましたね、
いしい先生。
contaca_segundo様 お知らせ頂きありがとうございます!
いしいひさいち氏の漫画は、ごちゃごちゃしていて、つい見落としてしまうことがあります。今回も気付いていませんでした。幸い新聞はまだ捨てていなかったので、切りぬいておきたいと思います。